「顔真っ赤。さすが俺のこと好きなヤツ」
ふっ、と満足そうにはにかむ先輩。
そんな柔らかい笑顔を見たらまた胸が不本意に高鳴ってしまうから困る。
好きじゃないし…!
変な勘違いしないでよ!もう!!
「俺の名前はね」
この最低な人の名前はなんなんだろう。
好きじゃないけど、決して好きじゃないんだけど
なんとなく、知っておきたい。
「やっぱ、教えてやんない」
「えぇ…!?」
教えてくれると期待してしまっていたから
余計に大きな驚きの声を上げてしまった。
そんな私をみてクスクスと肩を震わせながら笑っている先輩。
「そんなに俺の名前知りたかったんだ」
「べ、別にそんなんじゃないですから…!」
「もっと焦りなよ。
花蓮ちゃんが焦ってる姿ちょっとだけ可愛い」
「か、花蓮ちゃん…!?
しかも、ちょっとだけ可愛い…!?」
いきなり、名前呼びなの!?
私は先輩の名前を知らないのに!?
しかも、焦ってる姿がちょっとだけ
可愛いだなんてますます意味がわからないんだけど…!



