「……律哉くんの全部をもらえるなんて私は幸せ者だね」


「しゃあなしだかんな」


「あ、照れ隠しだ」


「…うるせぇよ」


「あ!そうだ!今から買い物に行こうよ!
夕ご飯の食材切らしてたんだった!」


「はぁー?めんどくせぇな」


「そんな事言わない!ほら!早く立って!」



財布とスマホを持つと私たちは
家を出て近所のスーパーへと向かった。



「今日の夜ご飯は何にしようかな」


カートを押しながら考える。


「無難にからあげとか?」


「おっ、いいね」


いつもさりげなく案を出してくれる律哉くん。


実は料理もできるから、いい旦那さんになりそうだ…なんて考えちゃったりもして。



「んじゃあ、決まりだな」



必要なものをカゴに入れてレジの前で並んでいると律哉くんがそっと私に近づいてきてカゴの中に何かを入れた。