「俺はね、身も心も…にしたいんだよ」
「…へ?」
「何もいらないから、花蓮がほしい」
「なっ…」
「なーんてな。でも、ほんとに何もいらない
花蓮が明日も俺の隣にいてくれればそれでいい」
そう言って優しく目を細めて笑った律哉くん。
…やっぱり恋人同士だし、覚悟を決めなきゃいけないよね。
よしっ、律哉くんの誕生日までには心の準備をしておこう。
「ありがとう」
「まあ、言うならーーー…」
「いつか、お前の全部俺にちょうだい。
そのときは俺の全部をお前にあげるから」
自身に満ち溢れた表情で言うと、私の頭を優しくそっと撫でた。
律哉くんは優しい人だから急かしたりしない。
そういうところも好きなんだ。



