俺は花蓮ちゃんの唇に
そっと、人差し指をくっつけて
「それは俺が言うから、ちょっと黙ってて」
「っ、」
「俺、もうお前のこと離せねえ」
「…うん」
「だから、これから先も俺の女として
俺の心ん中、花蓮ちゃんで満たして」
俺の言葉にコクコクッと強く頷いた。
もう二度と離れたくない。
「なあ」
「ん?」
「俺、花蓮ちゃんとのこと一生思い出にする気ねえから」
「っ…。私もしないよ」
離れていた時間を埋めるかのように
俺たちはどちらからともなく、唇を重ねた。
もう、王子様キャラはやめよう。
だってもう俺には必要が無いから。
それに気づかせてくれたのは、俺の大切な人たち。
感謝してもしきれねぇよ。
なんて、本人たちには言ってやんないけど。



