「だって、襲ってほしいんだろ?」



ニヤリと怪しげな笑みを浮かべている先輩。
まだそんなこと言ってたの…!?
その話はもう忘れているのかと思っていたんですけど!!



「まったく思ってないです…!」


「つーか、名前なんだったっけ?」


今サラッと話を逸らしたよね。
私はちゃんと気づいてますからね!


「……」


名前なんて答えたくない。
答えたら一巻の終わりな気がするんだもん。


ずっと、下を向いて黙っていたら


「黙ってるってことは
このまましちゃっていいんだ」


「へっ…!?」



するって何を…!?
さっきからこの人は何を言っているの…!?



「名前、教えてくれないと…
ココにちゅってちゃうけどいい?」



私の下唇を親指で優しく触れてなぞるようにして色っぽい笑顔を浮かべる。


それだけなのに、とくに好きでもないのに
体は甘く痺れて頭がクラクラしてしまう。