「あとさ、律哉はまだ花蓮ちゃんのことが好きだよ」
「…うそ」
「本当。ここだけの話だけど花蓮ちゃん律哉に最後にメッセージ送ったでしょ?」
「あ、はい」
たぶん、さよならと伝えたメッセージのことだ。
既読がつけられたままの、悲しいメッセージ。
「あれ見ながら、律哉……泣いてたから」
律哉くんが……泣いていた?
律哉くんが最初に私と別れたと言ったのに?
「アイツ、不器用だからさ
このまま花蓮ちゃんが離れていくなら、って思って自分から突き放したんだと思う」
永田先輩の言葉に涙が溢れてきてポロポロと頬を伝う。
律哉くん、会いたいよ。
いますぐ、会いたい。
「私…っ私…っ!」
「俺ができるのはここまでだから。
律哉のこと、よろしくね」
力なく先輩は笑うと、私に手を振った。
私はその言葉に頷くと全力で走り出した。



