「それくらい花蓮ちゃんのことが大切だったからだよ。
もし、秘密を知られて花蓮ちゃんを傷つけたり、嫌われたくなかったんだと思う」
ねえ、きみはどんな秘密を抱えているの…?
「アイツ、あんなふうだけど自分に自信なんて一ミリもないんだよ」
あんなに強引で俺様なのに?
だから、たまに切なげな表情を見せていたの?
「俺から勝手にこんなこと言っていいのかわかんねーけど、つーか、怒られるの承知だけど、俺は律哉には幸せになって欲しいからちょっとだけ俺の話聞いて。全部は教えられないけど、そこからの行動は花蓮ちゃんに任せるから」
私は、知ってしまっていいのかな?
律哉くんが必死に隠そうとしたことを。
でも、どんなことを知っても私は律哉くんのことを嫌いにはなれない。
律哉くんが苦しんでいるなら、私が彼を救いたい。
「……はい」
「…ありがとう」
先輩はそういうと、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎ話し始めた。
「律哉が学校では王子様キャラを演じてるのは知ってるだろ?」
「はい」
「それは、みんなから嫌われないために演じてるんだよ」
「え?」
嫌われないためって……?



