私はケジメをつけるために見てもらえるかわからないけど律哉くんに《今までありがとう。ごめんね。さようなら》と送った。


それから、既読の文字がついても彼からの返信はなかった。


ああ、本当に私と律哉くんは終わってしまったんだな。

もう二度と律哉くんの優しい顔や意地悪な顔、
照れた顔や笑ったところを近くで見ることはできないんだ。


もう二度と私に甘えてくれることも、ない。


私と律哉くんはもうただの先輩と後輩…いやそれ以外かもしれない。


安川さんと律哉くんはさらに距離を縮めたみたいでよく二人でいるところを見かける。


それを見るたびに心を痛めていたことには気づかないフリをした。





律哉くんと別れてから数週間が経ったある日の放課後。


麗奈ちゃんに連れてこられた場所には、永田先輩がいた。


「ごめんね、呼び出しちゃって」


へらり、と永田先輩は笑う。

麗奈ちゃんは私を連れてくると「じゃあね」と帰ってしまった。


「……どうしたんですか?」


呼びされた理由が分からなくて、困惑する。


「あのさ、律哉のことなんだけど」


「っ、」


律哉くんの名前を出された瞬間、ドクンと鼓動が無意識に飛び跳ねた。