私たち、別れちゃってるんだ……。
そう思うと息をするのも苦しくて視線を下にさげた。
すると、その間に律哉くんは行ってしまった。
何度も私の方を心配そうに見ていたのは彼の隣にいた永田先輩だった。
「澤井先輩と付き合ってたのってあの子でしょ?」
「振られたくせに図々しいよね」
あちこちから私のことを
嘲笑うような視線と声が聞こえてくる。
耳を塞いでしまいたい。
もういっそ、何もかも忘れてしまいたい。
律哉くん……
きみはいったい何を抱えているの?
私、そんな簡単に諦めきれないよ。
だって、好きなんだもん。大好きだもん。
諦めよくないから……
まだきみの隣にいたいと思ってしまうよ。
「花蓮…もう行こう」
「…うん」
そんな私に気をつかってくれたのか麗奈ちゃんが私を誘導するように食堂から出た。



