そんな噂に私は胸を痛めている。
ぜんぶ、突き放した私が悪いのにね。
「花蓮…」
そんな私を麗奈ちゃんは辛そうに表情を歪めながら頭を撫でてくれる。
麗奈ちゃんがいてくれてよかった。
ひとりだったら
絶対に泣いてばかりだったもん。
「もう、大丈夫だから。
ぜんぶ、私が悪いんだもん」
ぎこちなく笑ってみせると麗奈ちゃんは「花蓮は何も悪くないよ」と言った。
ううん。
勝手に傷ついて、嫉妬して律哉くんのことを信じられなくなってしまったのは私だから。
だけどね、今やっとわかったよ。
どんなに苦しくてもヤキモチを妬いても律哉くんが私のそばにいないことのほうがよっぽど辛くて苦しいよ。
「でもさ、やっぱり澤井先輩にも
何か言えない理由があるんだと思うよ」
「……そうだよね。
私って本当に最低だ」
「二人ともすれ違っちゃってるんだよ。
好きだからから言えない気持ちと好きだから知りたいと思う気持ちがお互いぶつかり合っちゃっただけだよ」
優しく麗奈ちゃんが言った言葉が
私の心の中にストン、と落ちた。



