「あ、襲ってほしかった?
だってお前は俺のことが好きだもんな」
誰がそんなこと言うか!と言いたいところだけどそんなこと言ってしまえば、イジワルそうに笑っている先輩の表情が一気に黒くなるんだろうな。
なんて、考えていたらどこからかガチャと音がして優しく先輩に体を押されていとも簡単に薄暗い部屋に入れられた。
さっきの音はドアを開けたときの音だったんだ!と今更ながら思う。
って違う違う…な、なにこの展開…!?
今度はパチッと音がしたと思ったら視界が一気に明るくなった…と思っていたら先輩の顔がありえないくらいに間近にあって不覚にもドキンと鼓動が高鳴る。
ち、近い!
近すぎるよ!こんな整った顔を間近で見たのは初めてかもしれない。
「あ、あの……!!」
「ん?なに?」
「こ、この状況は……?」
先輩の向こう側に見えるのはお風呂の湯船。
えっと……ここはお風呂かな?
……とすると、なんで私はお風呂になんか連れてこられているの?
え、まさか…先輩今からお風呂に入るつもりだったとか?
いや、でもそんな感じには見えないしな。
突然の事で頭がうまく回らない。
ただでさえ、バカな頭なのに。



