【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「花蓮ちゃん?」


「来ちゃった」


なんて、ぎこちなく笑う。


連絡もなしに私がここに来ることなんて滅多にないからきっと律哉くんは驚いているんだろう。


「一緒に帰ろ?」


「…おう」


そういって、学校から出たものの
二人の間に気まずい沈黙が流れる。


どうしてこうなってしまったんだろう。


「ねぇ、律哉くん」


「ん?」


「律哉くん、何か私に隠してるでしょ」


「…っ」


覚悟を決めてそう言えば
律哉くんの瞳は動揺の色を見せた。


やっぱり…隠してるんだ。


「私じゃ、頼りないかな?」


「……別にそんなことねぇけど、お前には関係ないから」


関係ない……?

そんなの他人みたいに扱わないでよ。

私たち、付き合ってるんだよ?
なのに、関係ないだなんてひどいよ。


「…安川さんには話せるのに?」


「は?」


耐えられなかった。
今まで溜まっていた黒いものがポロッと出てしまった。


だけど、一度出てしまったら止まらなくなった。