なんで私のことを見てくれないの?
他の女の子なんてみないでよ。
私だけだっていってたくせに、ウソツキ。
私の心の中に黒いドロドロとしたものが
どんどん募っていく。
こんなこと、思いたくないのに。
「大丈夫だよ」
無理やり笑顔を作って麗奈ちゃんに向ける。
「はぁ…本当にあんたって嘘つくの下手だよね」
「え?」
だけど、そんなの麗奈ちゃんには通用しないみたいだ。
簡単に見抜かれてしまう。
まるで、律哉くんのように簡単に。
「そんな顔してるのに大丈夫なわけないでしょ?
不安なことがあるなら私に話してよ。何でも聞くから、ね?」
諭すようにそう言われると、ポロリと本音がこぼれた。
「律哉くんは…もう私のことを好きじゃないのかな?」
それが一番不安だった。
メッセージが返ってくるのだって遅いし、目も合わない。
夜ご飯も最近は作りに来なくていい、と言われているからあんまり話ができていない。
まるで、避けられているかのように。
「でも澤井先輩、あんなに花蓮のこと好きだったのに簡単に好きじゃなくなるかな?」
「人の気持ちは変わる、ってテレビで言ってた」