《花蓮side》



先輩と付き合い始めて二ヶ月ほどが経ち、季節はすっかり秋になった。


まだ文化祭は先なので、
とくに学校行事があるわけではない。


だけど、私にはひとつ心配なことがある。
それは最近律哉くんの様子がおかしいこと。


私が何かを話しかけてもうわの空で、全然目も合わせてくれない。


少し前までは普通だったのに…どうしてだろう?


もう、私のことを好きじゃなくなったのかな?


そう思うと胸が苦しくて、たまらなかった。


しかも、いつ仲良くなったのか同じクラスメイトの安川さんと一緒にいるところもよく見かける。


どうして、一緒にいるの?


なんて聞いたらきっと私は重い女の子になってしまって今以上に嫌われてしまう。


麗奈ちゃんの話では安川さんは律哉くんのことを一方的に好いているらしい。

だからこそ、余計に不安で仕方ない。


「あー!律哉先輩っ!」


移動教室ですれちがっても私よりも先に安川さんが律哉くんの方へ行ってしまい、結局目も合わせられないで終わる。


「ねぇ、花蓮。
あれ、大丈夫なの?」


麗奈ちゃんは安川さんと律哉くんの方を見ながら言う。


全然大丈夫じゃないよ。
本当はショックで胸が押し潰れそうだ。