よかった…ちゃんと届いてたんだ。

本当に律哉くんはいつだって私に気づいてくれる。


そんなところも好き。


「さすが私の彼氏だね」


「あたりまえでしょ?
僕以外、花蓮ちゃんの彼氏は許さないよ」


そういいながらも優しく私の頭を撫でてくれる。

律哉くんにこーしてもらうと落ち着くなあ。


出会ったときはそんなこと全然思っていなかったのに。


「これからもそばにいてね」


「勝手にどっかに行っても僕は探さないからちゃんとついてこないと知らないよ」


「えぇ!?ちょっとは探してよ!」


いや、どこにも行かないけどさ。
でもそのまま放っておかれるのも辛いなあ。


「やだ」


やだ、じゃないし!
本当に律哉くんは意地悪だ。


「あ、そうだ」


「ん?」


「弁当、美味かったよ」


にこっ、と優しく微笑みながらそんなことを言われたらぼぁぁと顔が熱くなる。


律哉くんの笑顔の破壊力はすごいんだからね。


「それはよかったです…!」


「ん。今日も一緒に帰ろうな」


「うん!」


ほら、こーしてちゃんと優しくしてくれるところがたまらなく好きなんだ。


いつもは意地悪なくせにたまにキュンとするようなことをしてくるんだよ。


その日も一緒に帰って、幸せなひとときを過ごした。


もうすぐ、その幸せが崩れ落ちることになるなんてこのときの私たちはまだ知るよしもなかった。