【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「うわー!マジで可愛いな!
ふわふわしてるっつーか!安川は美人で宮園さんは可愛いだな」


男の子たちが近くでたぶん私のことを話している。


その会話、こっちにまで聞こえてますよ。


放っておいてはやく教室に戻ろう。


「しかも、今日は髪の毛上げてるし
うなじが綺麗だなあ!やべえ!彼氏いんのかな?」


可愛いと言ってもらえるのは嬉しいけど
やっぱり律哉くんにいってもらえるほうが嬉しい。


そう、今日は体育大会ということもあり
高めの位置でポニーテールをしている。


麗奈ちゃんは毛先をクルンと巻いていたけど
私は最初からゆるく天然パーマがかかっているので巻かなくても大丈夫だった。


でも、どうせ律哉くんはそんな私のことなんて全然見てないんだろうなあ。


だって、目が合ったのはあのときだけで
しかも、あんな一瞬だったから分かりっこない。


「ねえねえ、宮園さん」


肩を後ろからトントンと叩かれて振り返ると、さきほどの男の子たちが立っていた。