【完】イジワルな彼の甘い溺愛




私が彼女なのになあ。
なんて、ワガママだよね。


「やっぱ、澤井先輩人気だね」


「…うん」


この際、中身は腹黒ですよ。

と言ってやりたいけど、たぶん、そんなこと言ったところで律哉くんがカッコよくて優しいのは変わらないからなにも変わらない。


「花蓮は愛されてるんだから
何も心配しなくていいと思うよ?

さあ、障害物競走で一位になって
ご褒美に抱きしめてもらってきな!」


私の背中をバシッと叩くと、
笑顔で私を送り出してくれた。


ありがとう、麗奈ちゃん。
なんか元気出てきたよ。


障害物競走が始まり、私は結局3位だった。
一番になれなかった。

こんなんじゃ律哉くんのところに行けないよ。


はあ…あとは午後の部だし
お弁当を食べに教室に戻らないと。


「なあ、見ろよ」


「あれ一年で安川と
並ぶくらい可愛いって噂の宮園さんだぞ!」