【完】イジワルな彼の甘い溺愛






体育大会当日。


結局、私は障害物競走に出ることになり
律哉くんは色別リレーと100メートル走に出るらしい。


ちなみに私は青色。律哉くんは赤色。


敵同士だけど、そんなの関係ないって律哉くんが言ってた。


「ねえ!澤井先輩が出るよ!」


麗奈ちゃんの隣で私は律哉くんを見ている。
100メートル走だ。


「位置について、よーい!」


──パンッ!

先生の合図とともに
一斉に走り出した先輩たち。


「頑張れー!」


私は必死に律哉くんを応援した。
だって、勝ってほしいんだもん。


たとえ、敵だって彼氏は彼氏だし。


楽勝で一番を勝ち取った律哉くんは
私のほうを見て、ふわっと笑った。


「くぅ〜!愛されてるね」


「そ、そんなことないよ…!」


そう言いながらも高鳴った鼓動はおさまることをしらない。


でも、すぐに女の子たちに囲まれている律哉くんが視界に入るとズキンと胸が痛んだ。


彼はとてもカッコいいからモテるし、追いかけたくなっちゃうのも分かるんだけど、モヤモヤする。