「いつまでそこにいんの?さっさと入れよ」


「い、いやぁ…!これ渡しにきただけなので!」



そういって持っていた紙袋に入ったお菓子を押し付ける。
だけど、彼はなかなか受け取ってくれない。



「ちょうど暇してたんだよ。
もちろん、俺の相手してくれるんだろ?」



ニヤリと口角を上げてお得意のイジワルな笑顔を浮かべる。


絶対に行かないと後々恐ろしいことになる気がする…。
先輩がこのイジワルな顔をしたときはその指示に従わないと…ていうか何が何でも入らせる気だよね!?


だから、お菓子は受け取らないで私の腕をさりげなく掴んでいるんだよね!?


しかも、さっきとはまるで違う口調と一人称。
これは“素”の先輩だ……!



「お邪魔します…」


「ふっ…素直でよろしい」



断ることが出来なくて
仕方なくお邪魔させてもらうことにした。