《律哉side》
あの日から花蓮ちゃんとは会っていない。
いや、本当のことをいうとどんな顔をして会えばいいのかまったく分からないから。
メッセージアプリを使って、《もう夜は来なくていいから。ごめんな。今までありがとう》と連絡を入れたら《わかりました》とだけ返ってきた。
気づけばもう数日で夏休みが終わってしまう。
俺って、マジめんどくせー。
なんなの?自分から好きとか言っときながら傷つきたくなくて向き合おうとしない。
クソすぎだよな。
そんなことくらい分かってんのにさ、怖いんだよ。
俺のそばから花蓮ちゃんがいなくなっちまうのが。
そんなとき、ピコンとメッセージが来たことを知らせる機械音が鳴った。
花蓮ちゃんからか…!?
そう思って急いでスマホを手に取り、アプリを開いて確認すると
《よっ!元気か!?
もうすぐ学校だな!
お前と会えるの楽しみにしてるからな!》
「……んだよ!お前かよ!」
メッセージを送ってきた主は、流星だった。