「…ちょっとだけ、ちょっとだけ好きです」
完全に好きなのかは分からない。
だけど、嫌いじゃないのは確か。
早く麗奈ちゃんに相談しないと!
家に帰ったら電話をかけよう!
「…なにそれ。可愛すぎんだけど」
「…へ?」
私が予想していた律哉先輩の反応と違うから驚いた。
てっきり、怒られるかと思ってたよ。
「あー、お前ってほんと焦らしてくるよな。
ムカつくけどそんなとこも好きなんだよなー」
言っていることは理解できないけど
悪い方向にはなっていないみたいで一安心!
それから食器を洗い終わるまで律哉先輩は
ずっと私のそばにいて離れなかった。
ソファに二人で腰掛けて、テレビを観ているといつの間にか14時を回っていた。
「そろそろ、帰りますね」
夜ご飯はまた作りに来ればいいし、
麗奈ちゃんに電話もしたいし。
「まだいてよ」
「でも…」
「花蓮ちゃんが帰ったら俺さみしーから」
ま、またそんな甘い言葉で惑わしてくる…!
本当にズルい人だ。



