私の通う学校は住んでいたところからはかなり遠くて電車でもバスでも通えないということで一人暮らしを許してもらえた。
初めは寮に入れ、と言われたけど何となく寮は厳しいイメージがあるから断って…一人暮らしに辿り着くまで両親とたくさん言い合いをしたなぁ。
だけど、結局は折れてくれて…だから私は今ここにいる。
「じゃあ、私はここで。今度こそさようなら」
怪しい先輩から離れたい一心で早歩きで部屋まで向かう。
近くの部屋の人にはご挨拶に行ったけどまだ左隣の部屋の人だけにはご挨拶できていないから行かなくちゃ。
どんな人なんだろう……。
いい人だといいなっ!そんなことを思いながら先輩に軽く会釈をしてからガチャと鍵を開けて部屋の中に入った。
そういえば先輩の家ってどこなんだろう…?
一軒家に住んでそうなイメージがある。
そんなことを頭の片隅でぼんやりと考えながら玄関でローファーを脱いで肩にかけていたスクールバックをボフッとソファの上に置いて、ベランダに干してあった洗濯物を取り入れる。



