しばらくして放心状態から覚めた私は律哉先輩のいるキッチンへと向かった。
すると、そこには黒いエプロンをして野菜を切っている律哉先輩がいた。
か、か、カッコいい!!!
ただ野菜を切っているだけなのに思わず見とれてしまいそうなほどカッコよくて、トクントクンと鼓動が高鳴る。
カッコいい人って何してもカッコいいよね。
「律哉先輩、私も手伝います」
そう言い、愛用しているピンクのエプロンを着て後ろのヒモを結ぼうとしていると自分の手じゃない冷たい手が触れた。
律哉先輩の手だ。
わざわざ、結んでくれているんだ。
何だかんだ面倒みがよくて優しい。
「じ、自分でできますから!」
さすがに蝶々結びくらいできるし、いつもしているからそういうのに律哉先輩はやめようとはせず
「俺がしたいからいいんだよ。
動くなよ、やりづらいから」
そう言ったから動かずにいたのに律哉先輩は蝶々結びをしながら、私の首筋にちゅっとキスを落とす。
突然のことで驚いて体をよじらせてしまった。
すると、耳のすぐそばから律哉先輩の声が届いた。



