【完】イジワルな彼の甘い溺愛





まあ、私は落ちないけど…!
ついでに落としもしないけれどね…!!


というか、私みたいなのにこんなカッコイイ先輩が落ちるわけないし。



「僕をなんだと思ってるわけ?
僕も君と同じく人間なんだけど」


「そんなの知ってますよ…!」


「だったら、笑っても不思議じゃないだろ。

……あ、分かった。照れ隠しだね
きみも意外とウブなんだ。」


「へ?」



照れ隠しって?ウブって?何の話?
先輩とはいまいち話が噛み合わない。



「きみって本当に僕のこと好きなんだね」


「好きじゃないんですけど……!」



先輩はいつまで誤解しているの…!?
私は一言も好きなんて言っていないのに…!!


それから何かの話題について話すわけでもなくただトボトボと歩いていると家にたどり着いた。


ボロボロでもなく、めちゃくちゃ綺麗とも言えないようなマンション。
そこで私は昨日から一人暮らしを始めたのだ。