「今、どうしても花蓮ちゃんにキスしたい気分だったんだよな。だから、許して」
いやいや、意味が全くわかりません。
キスしたい気分だから鼻にキス!?
なんじゃそりゃあ!!
「俺さ、お前の事なんて考えたくもないのに
気づいた時にはお前が頭の中にいんの」
「っ、」
「なぁ、どうしてくれんの?
こんなに好きにさせといていつまで俺を焦らすの?」
そ、そんなこと言われても……。
私は律哉先輩のこと別に好きじゃ……ないし??
ただの先輩後輩だし?
でも、それを心のどこかで否定している。
なによ、この気持ちは。
モヤモヤしてムズムズする。
「はぁ、俺…お前が好きすぎてなんかおかしい。
すぐにお前に会いたくなるし、触れたくなる」
「なっ…」
「こうやって…」
その言葉とともに腕を引かれて律哉先輩の胸の中に引き寄せられる。
そして、後頭部をがっちりと手で抑えられる。
「ぎゅってしてるとき、俺すげー幸せ」
ズッキュンと完全に心を射抜かれてしまった。



