「ふぅん」
そう言って少し私から離れたと思ったらコテンと私の肩に頭を乗せてきた。
な、なに…!?
心臓が異常なほど音を立てている。
「花蓮ちゃん……
他のやつ見てないで、俺だけを見て?」
トクントクントクンッと早鐘を打ち始める。
少しだけ弱々しい律哉先輩の声は
私のすべてを刺激して離さない。
こんなの…ズルいよ。
甘くて、甘くて、やみつきになりそう。
「さぁ、今日はもう帰るわ。また明日な」
そう言うと、手を振りながら颯爽と帰ってしまった。
な、何よ……こんなに惑わしといて
自分はさっさと帰っちゃうなんて…!
律哉先輩が帰ってからもしばらく、まだ律哉先輩の香りが残った部屋で一人、胸を高鳴らせながら動けずにいた。
律哉先輩と一緒にいると
なぜかいつもドキドキしてしまう。
この気持ちはいったいなんなんでしょうか?



