「俺、好きだよ。花蓮ちゃんのこと」
私の色素の薄い髪の毛を指ですくったあとに
私の耳にそっと、かけて、顔をずいっと近づけ、甘くどこまでも甘く体全身を痺れさせるような声でそう言った。
トクントクンと先ほどまでは心地よく音を立てていた鼓動もドッドッドと早鐘を打ち始める。
な、なんだ…!
この異常な心拍数と顔の火照りは……!
「か、からかわないで…!」
そういって、律哉先輩の胸元を押すけど男の人の力になんて敵わなくてビクリとも動かない。
それどころか、律哉先輩は私の両腕を掴むとぐいっと自分の方に引き寄せた。
そのせいで、体制が崩れて私は律哉先輩の胸にダイブしてしまった。
「だからさ、何回も言わせんなよ。
俺は本気でお前を手に入れたい」
「なっ…!」
「俺が好きって言って泣けよ。」
い、意味がわからない!
なんで私が律哉先輩のことを好きって言いながら泣かないといけないのよ!



