【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「俺に癒しをちょうだいよ」


「な、何言って……んんっ」



その言葉と共に唇をまたもやあっさりと奪われた。

柔らかくて、とろけてしまいそうな唇に思わず顔が赤面する。



「な、何するんですか…!
付き合ってもないのにこんなことありえないです!」



私たち、付き合ってもないのに
なんでこう何回もキスしなくちゃいけないの!?


律哉先輩には女の子なんてたーっくさんいるはずなのに……

なぜか、そう思うと胸がきゅっと苦しくなる。



「じゃあ、付き合う?」


「えぇ!?」



なんでそんなに軽く『付き合う?』なんて言葉が言えるの?!


本当につくづく律哉先輩が分からない。
何を考えているのか、どう思っているのか、先の行動が全く読めなくて困る。



「嘘だと思ってる?」


「もちろんです!」



こんな私を律哉先輩が好きになるわけないし。

ていうか、律哉先輩が言ったんじゃん。


私のことなんて好きにならないって。
それどころか私が律哉先輩のことを好きだと勘違いして…!!