【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「いってぇな……マジ落とすぞ」


「ひ、ひぃ…!!!」



大人しくしよう。
これ以上、怒らせたら何されるかわからないし。


チラチラと人に見られながらも
無事に家の前まで連れてきてもらった。



「カギ」



私の家の前に立つなり二文字、言葉を発した。



「へ?」


「だからカギ出せっつってんだよ。
一回で聞き取れ、このポンコツ」



ぽ、ポンコツ…!?

確かにバカですけど、そんな頭の中がカスカスみたいな言い方しないでよ!!



「なんでカギなんか…!」


「文句言わねーでさっさと出せよ」



ひ、ひぃ……!
恐ろしい…悪魔だ悪魔。


ここはさっさと律哉先輩の言う通りにカギを渡した方がいい。