【完】イジワルな彼の甘い溺愛





「そ、そうなんですか」


「きみがどっちの僕を好きなのかは知らないけど
別に嫌なら受け入れなくてもいいから」



いや、どっちの僕を好きなのか…とかいってますけど、そもそもどっちも受け入れていないんですけど…!



だけど、時おり吹く風が先輩のダークブラウンの髪の毛をゆらゆらと揺らす。



その横顔はとても綺麗で思わず見とれてしまいそうなほどだった。



「あ、私こっちなので…さようなら」



これ以上見ていたら興味があるのだとまた変な勘違いをされてしまうと思ったから話題を変えようと思ったけど


タイミング良く分かれ道になってやっと先輩と離れられる!と思い、足早に行くと先輩は何も言わずに私に着いてくる。



「な、なんで着いてくるんですか…?」


「僕も家の方向がこっちだから。
なに?僕が送っていくとでも思ってるの?」



ひ、ひぃ…!
にっこりと不敵な笑みを浮かべながらいう先輩は本当に恐ろしい。


というか、帰る方向が同じって意外と家が近かったりする…?!
お願いだから、遠くでありますように。