【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「冗談とか抜きで言ってるからな」


「き、急になんですか!」


「なんでもねーよ」



そういうと律哉先輩は黙り込んでしまった。


本当に今日の律哉先輩はわけわかんない。
いや、いつも分からないんだけど。


いきなり可愛いとか言ってくるし、キスとかハグまで。


こっちはいつも振り回されっぱなし。



「あの…律哉先輩。

今日は連れてきてくれて
ありがとうございました」



律哉先輩が誘ってくれたからアイドルにも会うことができたし結果いい一日だった。



「ん。まあ、俺は見たくもない
お前の好きなヤツを見せられたけどな」


「なっ…!あれはイケメンなだけで
別に好きな人とかじゃないですよ!」


「さっき彼氏にしたいとか言ってたじゃん」


「あれはただの願望みたいなもんですよ。
まさか、本気にしてたんですか?」



誰だって芸能人に抱く願望でしょ?

憧れとかそういう感じで恋愛対象ってわけじゃない。


だって、手の届かない相手なんだから。



「…わりぃかよ」



少しいじけたように言う律哉先輩は正直、すごく可愛い……なんて言ったら殺されるから絶対に本人には言わないけど。