でも、そんなの申し訳ない!
第一、コケたのも自分の不注意のせいだし。
本当は律哉先輩は何も悪くない。
ただいつも余裕そうだから八つ当たりしたくなっただけ。
「さっさとしろよ、ノロマ」
「なっ!」
ノロマはないでしょ!ノロマは!
私は何事もスピーディにこなす人なんだからね!
「お前に悩む時間なんてねぇんだよ。
黙って俺の言うこと聞いてろ」
「だって…私、重いし」
まだダイエットの途中だしそれに昨日、ショートケーキをおやつに食べちゃったし。
だから、おんぶなんて無理だよ。
気持ちだけ受け取っておこう。
「は?重いなんて分かりきったこと言うな。
つーか、いまさらそんなこと気にすんなよ」
ん……?
今なんと言いました?
重いって分かりきってるって言ったよね!?
わぁぁ!本当に律哉先輩ってデリカシーがない!!
そりゃあ、太ってるのは分かってるけど
そこまではっきり言わなくたっていいじゃん。



