きゃー!毎日がきっと幸せの日々なんだろうな。
と、妄想を膨らませていると隣から
ふてくされたような声が振ってきた。
「お前じゃ無理無理。
相手にしてもらえねーって」
「うるさいです!
そんなの分かりきってますから!
もしもの話です!」
「あんな弱っちぃやつのどこがいいんだか」
ふっ、と鼻で笑う律哉先輩は不機嫌オーラが丸出し。
何がそんなに気に入らないんだが、私はそっちの方が分からないよ。
「爽やかそうに見えて、
たまに見せる色気が最高なんですよ!!」
男の子色気というかなんというか
とにかく最高すぎて…!
「ふーん、色気…ね」
何かを考え込むように言った律哉先輩。
いったい、何を考えているの?
もしや、またよからぬことでも考えてるんじゃ!
「はい!
あ!先輩の好きなバンド出てきましたよ!」
バンドのメンバーが出てきた瞬間、ワッと観客のみんなが声を上げた。
このバンド、すごくいい曲を作るんだよなぁ。
歌唱力もあるし、よく聴いている。
「俺だって…本気出してやる…」
私は彼らの音楽に夢中だった。
律哉先輩がそんなこと呟いているなんて知らなかった。
だって、私が律哉先輩を見た時は
楽しそうにジャンプしながら爽やかな笑顔を浮かべていたから。
その笑顔に不覚にもドキッとしたのは絶対先輩には内緒にしなきゃ。



