「なっ…何を…!?」
「さてと、帰って飯食おーぜ。腹減った」
テンパっている花蓮ちゃんを放っておいて、椅子から立ち上がりカバンを肩にかける。
ふっ…テンパってる姿おもしれーな。
まあ、『えっ…!?何が起きたの…!?』と一人で言っているのはただの変人としか思えないけど。
「早くしないと置いてくぞ」
「あ!ちょっとくらい待ってくださいよー!」
「無理。さっさと来い」
あーあ、ここは学校なのにな。
誰かに見られたらどーすんの?
だけど、花蓮ちゃんの前ではどうしても普段の俺になってしまう。
それだけ心を許してるっつー事なのか?
上靴からローファーに履き替えて家までの道のりを二人並んで歩く。
二人の影がゆらゆらと揺れている。
俺らカップルにでも見えてんのかな?
「律哉先輩!今日の夜ご飯何にしますか?」
少し前のめりになって俺の顔を覗き込むようにして言った花蓮ちゃん。
いちいち可愛いことするよな、お前って。
これ以上、俺の心臓刺激するのやめてくんないかな。
「んー、お前でも食べようかな」
「分かりま…って……んんっ!?」
今、一瞬『分かりました』って言いかけただろ。
この反応が面白くてイジワルすんのやめらんない。



