「…律哉先輩、そんなに見られてたら集中出来ないです」
遠慮がちに俺にそう言った花蓮ちゃんの頬はまだほんのりと赤く染まっていた。
「…ん?お前がブサイクすぎて見つめたくなる」
「失礼な!ブサイクなんですから、見ないでください…!」
そう言い、フンッとそっぽを向き、怒ったような仕草をみせた花蓮ちゃんはその仕草さえ可愛いということを自覚してねぇから困る。
お前がブサイクだって言うやつは目がおかしいよ。
まあ、俺だけ特別にそう言うけど…
「嘘に決まってんだろ。
お前が可愛すぎるから見つめて癒されてた」
でも、結局はいつも可愛い花蓮ちゃんに負けてしまう。
イジワルしても、その後にそっと包み込んであげたくなる。
俺は相当、花蓮ちゃんに惹かれてるんだろうな。
マジで気持ち悪いレベルかもしれねぇ。
「ま、またそうやってからかう!
私、バカだから舞い上がっちゃいます…!」
「なんで舞い上がるわけ?
ふっ…やっぱ、俺のこと好きなんじゃん」
ちょっとは期待しちまっていい?
自意識過剰になるのは照れくさいし、イジワルしたくなるから。
俺って好きな子は溺愛したくなるタイプっつーことに気がついた。
こんな気持ちは初めてでソワソワする。
だけど、花蓮ちゃんには余裕のない情ねぇ俺なんて見せたくない。
いつでも余裕そうに振舞っていたい。



