【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「何するんですか!」


「そんな顔してても可愛くないからやめとけ」


「もうっ!そんなこと百億年前から知ってます!」



百億年前とか前すぎるだろ。


こんなおバカな発言も男からしたら可愛くてしょうがねぇ。
俺が思うんだからみんな思ってんだろーな。



「ほら、早く始めなきゃ。日が暮れちゃう」



急かすようにテキストを開いて、花蓮ちゃんの前に差し出す。



「まずは問1をやってみな」


「…はい」



さっきの威勢はどこにいったのか自信なさげに返事をしてテキストを見つめる花蓮ちゃん。



「あのさ、さっきから1問も進んでないんだけどこれはどういうこと?」


「わ、分からないです……」


「ここが分からないとこれからしんどいぞ」



相当のバカなのか?
それとも、英語が破壊的にできないとか?


どうせ花蓮ちゃんのことだから、外国人に話しかけられてもジェスチャーで必死に伝えているんだろうな。なんか想像できるわ。



「うっ……だから先輩にいるんじゃないですか」


「手加減しねぇからな」



花蓮ちゃんといると王子様キャラでいなきゃいけないことを忘れて、素の自分に戻ってしまう。


気ぃつけなきゃな。