「別に現れてもいいでしょ?僕もここの道を歩かなきゃ帰れないんだから。
それより僕の理性をぶっ飛ばすぐらい好きにさせてくれるだってね、楽しみにしてる」
口の端を斜めに上げてにんまりとイジワルそうな笑みを浮かべて言う。
もう、素が滲み出てて王子様キャラがどっか行ってますよ…!?
そう言いたいけど、言ったらきっとまたイジワルを言われるだけだ。
「そ、そんなこと一言もいってないんですけど……」
「え?僕に逆らう気?
じゃあ明日学校できみにイジワルされたって言いふらそっかな〜」
「へ…!?こ、困ります……っ!」
そんなことされたらたまったもんじゃない。
私の華の高校生活は散ったも同然だ。
せっかく楽しみしてたのに…
入学早々イジワルな先輩に捕まってしまったから……。
それに!イジワルされているのは私の方だ!
「ふぅん、どうする?」
ど、どうするって言われてもね……
だけど、とりあえず……
「先輩を好きになるなんてありえないです」
はっきりとそう口にすると先輩は大きく目を見開いた後に再びお得意のにっこりスマイルを私には向ける。
その笑顔の奥に怪しさが秘められていて背筋がゾクッとなる。



