【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「なぁなぁ、律哉ってさ
気づいてないだけど花蓮ちゃんのこと好きだろ?」



教室に入って自分の席に腰を下ろしてすぐに流星が話しかけてきた。



「…何言っているのかな?
寝言なら寝てから言ってよ」



花蓮ちゃんのことが好きだと?
んなわけねぇだろーが。


お前の頭はまだ寝てんじゃねーのか?



「いやいや、マジだって。
お前いつまでも否定してっと横から取られんぞ」



いつもはニコニコしている流星が真剣な顔をして言うから少しドキンと鼓動が音を立てた。


そんな顔して言われるとなんか気づかなきゃいけねぇ気になっちまうだろ。



「…別に好きじゃないから」


「誰かに取られてから気づいても俺は知らねぇから」


「……分かってるよ、そんなこと」



花蓮ちゃんが他の誰かのものになるって考えただけでイライラしてくるし、


誰にも渡すかよ、なんて思っているけど…それが好きってことなのか?



「まあ、お前なら無意識に
花蓮ちゃんのこと大事にしてそーだけどな」


「うるさいよ、流星」


「はいはい。照れんなって」


「…ほんとに絞められたい?」



調子乗りやがって。
でも…流星のおかげで自分の気持ちに素直になれそうな気がする。