【完】イジワルな彼の甘い溺愛




やっぱ、女なんてチョロいよな。
『可愛い』って言うだけで喜ぶんだから。


それに比べてこの女と来たら……チラッと花蓮ちゃんを横目で見ると、少し悲しそうな顔をしていた。


そうそう、その顔が見たかったんだよね。
俺に『可愛い』って言ってもらえなくてショック受けてる顔を。


つーか、俺ってマジで性格悪いやつじゃん。
でも、見たかったんだからしょうがねぇよな。



「本当のことだよ」


「麗奈ちゃんもクッソ可愛いけど
花蓮ちゃんも超絶可愛いだろ!お前こそ眼科行ってこいよ!」



お前はいつの間にそんなに花蓮ちゃんを気に入ってんだよ。
花蓮ちゃんが可愛いことなんてお前が知るずーっと前から知ってるっつーの。



「そうだね。来週予約しておくよ 」


「おいおい!マジで行くのかよ!」



お前が行けっつったんだろーが。
つーか、なんか俺…花蓮ちゃんのこと好きみたいになってんじゃん。


アイツが俺を落としに来なきゃいけねぇのになんで俺があっさり落ちてんだよ!



「もうすぐ授業が始まるから行こう。じゃあね、お二人さん」



笑顔で二人に手を振って教室へと向かう。
朝からなんで俺がこんなにイライラしなきゃなんねぇんだよ。