【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「お前な…」


「あ、発見」



何かを語り始めようとしていた流星の言葉をさえぎって俺は視界に入ったある人を見て呟いた。



「は?なに?発見って…ちょ!待てよ!」



流星のことは放っておいて、俺はその人のところに近づいて肩にポンッと後ろから手を置いた。


振り返ったそいつはゲッとまるでお化けを見てしまったような表情をした。


なんだよ、その顔は。
お前のくせにいちいち生意気なんだよ。



「おはよう、宮園さん。
今日は遅刻ギリギリじゃないんだね」


「おはようございます…!
な、なんで遅刻ギリギリだったこと知ってるんですか!?」



隣にいる友達らしき女はポカンと口を開けて俺と花蓮ちゃんを見ている。
そんなに俺が話しかけているのが珍しいか?


まあ、基本女になんて自分から話しかけることはねぇけど。



「内緒」



昨日、たまたま外の景色を眺めていたら花蓮ちゃんが泣きそうな顔しながら走って校舎に入っていくのを見た、なんて言わねぇよ。