「はい!」
すると、女は頬を赤らめて照れたように言うと走って友達の方へ行った。
はぁ…朝から疲れる。
マジで知らないヤツに話しかけられる身にもなってみろよ。
「おい!あれって安川弥生様じゃねぇか!」
女が行ってからすぐに反応したのは隣にいた流星。
なんかその名前…どっかで聞いたことあるな。
どこで聞いたなんて思い出せねぇけど。
「誰?」
「お前!この前教えてやっただろ!」
流星のその言葉を聞いてどこで聞いたのか思い出した。
花蓮ちゃんに会いに行ったときに流星が興奮しながらその女の名前を出していたな。
どうでもいいから聞き流していたけど。
まあ、確かに大人っぽい顔立ちだったからモテるのも、様付けで呼ばれるのもなんとなく分かる気がする。
「思い出したよ。まあ、覚える気もないけど」
別に知ったところで何も無いし。
そもそも、あの女にちじんも興味が湧かねぇし。
「はぁー!?あの弥生様に
話しかけられるなんて滅多にねぇんだぞ!?」
「だから、なに?」
少し強い口調になってしまったのは本当にその弥生って女のことがどうでもよかったから。



