「宮園さんは僕が責任をもって世話するので安心してください。先生には極力触れさせませんから」


「…っ」



また先輩の黒い部分が若干出てしまっているよ!
他の子の前ではいつも完全に王子様なのにどうして私の前では俺様全開なの!?



「早く着きすぎたんで一度帰ってからまた来ます」


「えっ…!?」



先輩はそういうと私の腕をつかみ、戸惑いの表情を浮かべている岸先生にお得意の王子様スマイルを向けてゆっくりと保健室から出た。



「先輩!?」


「お前は俺だけに愛されてりゃいいんだよ」



上靴からローファーに履き替えて校門を出た瞬間、先輩はその甘いセリフを小さな声で呟いて再び歩き出した。


先輩の甘いセリフのせいで心臓が一瞬止まってしまったかと思った。
先輩だけに愛されるって…なんじゃそりゃあ!?


結局、家に帰って準備をしてたら一時間目の授業には間に合わなくてどっぷり怒られてしまった。


だけど、そんなことなんて気にならないくらい私の頭の中は何故か先輩のことでいっぱいだった。