【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「先輩、人のこと好きになったりするんですか?」


「ない。なんとなくで付き合って別れての繰り返し」



きっぱりと言い切ってしまった先輩の表情はどこか切なげで心の中がザワッとざわめいた。


こんな顔する先輩は初めて見た…いつもはイジワルそうに笑っているか、偉そうに私を見下ろしているぐらいだから。



「いつか、好きになれるといいですね」



先輩くらい顔が整っていると女の子もたくさん寄ってくるだろうし、すぐに可愛い彼女ができそう。


でも、イケメンだからこその悩みとかもたくさんあるんだろうなぁ。


先輩と他の女の子が仲良さそうに並んで歩いているところを想像したら心のどこかがチクリと痛んだ。


なんだろ…この胸の痛みは。
先輩が本気で好きになった女の子がこの先現れるなんて当たり前のことなのに考えるだけで胸が苦しくなる。


変なの。こんな気持ちは初めてだ。



「もうその心配はいらないみたいだけど」


「え?」


ということは、先輩にはもう好きな人がいたりするのかな…?