でも、可愛い子に告白されるだけあって整った顔をしていた。
ダークブラウンの髪の毛は無造作にワックスでセットされていて、



耳にはシルバーのリングピアスを髪の毛との間からチラリと覗かせるたびにカッコよさが増していた。



王子様スタイルなのにピアスは開けているんだ…と思ったけど似合いすぎているから何も言えないのは彼には秘密。



黒目がちな瞳は優しさの奥に甘さを秘めていて見つめられると胸が小さく跳ね上がるほど吸い込まれそうでスッと筋の通った鼻筋に形のいい唇。



全てを持ち合わせた彼。
そこらの芸能人よりも断然カッコよくて魅力的だ。



本当に黙っていればカッコイイ。



ただ、分かったのは彼が二重人格だということ。
それを内緒にしていてほしいと言っていたんだと今更気づいた。



もっと、はっきり、ちゃんと言ってくれないと分かんないって。
心の中で彼には言えなかった文句を吐き出す。



「はぁ…私、どうなっちゃうんだろう…」



入学早々、不安なことだらけだよ。
変な先輩に引っかかってしまうし…教室の場所は分からないし…。



校内を歩いていれば誰が先生が見つけてくれる、という私の考えは見事的中したようですぐに名前も知らないおばさん先生が私を見つけてくれた。



だけど、『どこに行っていたのよ!』と怒鳴られてしまった私は本当に今日はついていないと実感した。