《花蓮side》
「先輩、好きです…付き合ってくれませんか?」
おろしたての制服に袖を通して浮かれていた私はつい先ほど入学式が終えて、教室に戻ろうと歩を進めていた。
……なのに校舎が広すぎるために教室へと繋がる道がどこなのか分からずにふらりふらりとさまよっているとふと耳に届いた可愛らしい声。
も、もしかして告白現場に遭遇しちゃった…!?
慌てて壁に隠れるけど、下手に動いたらきっとここにいるのがバレてしまう。
なら、あの二人がいなくなるまで…ここにいた方が安全だよね?
壁にもたれかかってボーッとするけど、どうしても告白が気になって耳の意識はそちらに向いてしまう。