「君は医者にもう歩けないと言われても取り乱したりしなかった。
君は!僕と違って…まだ、たくさんの未来があったんだから…

もっと、もっと
自分のことを大事にしなければ駄目だ。」

そう言うと涙目なのを隠すように

「喋りすぎた」

と言ってカーテンを閉めた。


私はカーテン越しに
「そんなこと初めて言われたよ」
と言った。

心なしかこれは現実なんだと感じた。彼も何か向き合わなきゃいけない辛い事実を抱えるんだろう。少し潤んだ彼の目はそう語っていた。


…しばらくして「検査をします。」と言われてベットごと検査室に移動させられてしまった。