「怖かった…怖かった…」
そう言いながら泣きじゃくる私の頭をそっと撫でた。




「伏せとけよ」と言って奴等へ向き直る。
健常者の彼は自由な足を使って、襲ってくるのも憚らず一網打尽にした。



あまりにあっという間の事だったので辺りに倒れている人間と飛び散る血液に困惑した。

恐怖に硬直してしまった私を見て
「こんなもの、見させてごめん。」と言って抱き締めた。


フワッと香る柔軟剤の香りが血の臭いを少しだけ薄めた様な気がした。