驚いた。1人じゃなかった。
全部で5人。

「失礼します。」
そそくさに宿に帰ろうとする。

「オイ」
ドスの効いた声が響いた。
ビクッと警戒する。

「折角心配してやったのにそんな態度は無いんじゃないか?」

落ち着いてはいるけれど確実に怒っている。
彼の後ろには白い炎が見えるくらいには頭にきていた様だ。


鍛えていると言っても、女の私が男5人に太刀打ち出来るとはとても思えない。


何か熱いものが込み上げてくる。目を伝って流れ落ちた。