後から来た医者が「ちょっと席外してもらえる?」と言い、 里奈は病室から出て行った。 「…寂しいな」 里奈の後ろ姿を見ていると ポロリと本音が漏れた。 うちはお父さんもお母さんも小さい頃に他界しているので 心許せる身内はお婆ちゃんだけ。 そのお婆ちゃんももう老人ホームで暮らしているので熱心にお見舞いに来てくれているのは里奈だけだろう。 他に特別親しい友達がいるわけでない。 親友というのは私にとって里奈だけだ。