「じゃあまた」

バイバイ。晴樹くん。
口に出して呼ぶのはまだ恥ずかしいから
心の中でそっと呼んだ。


「待って」

そう言って渡された冊子。
中には車椅子で出来るスポーツの資料が沢山入っていた。


どれも院内でチラッと目にしたことがあるもので
一生懸命探してくれた彼の優しさを伺え、
心に沁みた。


「ありがとうっ。」

笑顔で御礼を言って
私達は病室を後にした。